書誌情報
集英社文庫(日本)
獅子吼
著者
あらすじ・概要
終戦から八十年、日本を代表する作家が贈る珠玉の六編
わたしたちはそれを記憶し続けなければならない――。
太平洋戦争下、「けっして瞋(いか)るな。瞋れば命を失う」という父の訓(おし)えを守り、動物園の檻の中で運命を受け入れて暮らす一頭の獅子がいた。農学校で畜産を学んだ草野二等兵に下された任務は、その獅子の射殺で――(表題作)。
昭和四十年の日帰りスキー旅行に思いを馳せる「帰り道」、学徒将校が満州で奇妙な軍人に出会う「流離人(さすりびと)」など、戦争に人生を歪められた者たちの葛藤を描く珠玉の六編。